コラム”Ecoものづくり情報”
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■ 改善の4原則=ECRS
Ecomo
Ecology&Economy manufacture optimization supporter
"Ecoものづくりサポーター”
エコモ研究所 宇田英夫
〒602-8148 京都府京都市上京区丸太町通堀川西入西丸太町185番地
京都二条ハイツ703
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コラム”Ecoものづくり情報”
20.09.10
■ 「揺らぎ」取組
前月、一般的エネルギーロス領域と新たな「揺らぎ余裕」を知って、改善取組を進めて行けば、様々なエネルギー改善取組事例を通して、「エネルギーの改善領域は30%はある」とお伝えしました。今回は、その「揺らぎ余裕」を知るキッカケとなった、「揺らぎ」への知見、「揺らぎ」取組について事例を交え紹介をさせていただきます。大きな学び、教訓を得て、エネルギーの改善領域への概念を変え、「省エネ改善の本質」が何かを知ることができた事例です。
◎クリーンルーム、パーティクル量の揺らぎ改善と省エネ事例
電子機器製造のクリーンルームで、1分毎にパーティクル量( 0.5μ微小チリ・ゴミの量が1キュービックフィート当たり浮遊している数)の計測と電力量を計測し、「電力環境監視システム」にて、電力・環境の「診える化」を行いました。
クリーンルーム室内のパーティクル量は、一般的には定期計測(毎朝、毎月等)で、パーティクル量は規定値内で安定していましたが、1分毎の常時観測をしているとパーティクル量は刻々と変化し、時には大きな変動をして、異常値が出ていることも初めて知ることになりました。
そのパーティクル異常時に、現場に行って、状況・現実を観ると、異常となる原因(汚染原因)や変化(4M変動)への気付きが在って、異常を起こす要因を見付けることになりました。そして、不具合要因を改善する本質改善に繋がっていきました。
「診える化」取組にて、大きな「揺らぎ」から10件程の改善を約3ケ月間で行なうことで、管理値を超える異常は無くなり、「揺らぎ」は少なくなって、パーティクル平均値は極少化し、1/3以下の数百ppm以下にすることができました。
また、クリーンルームのファンフィルターユニット(FFU)数台を、通常時は「弱」運転にすることができ、パーティクル量が少し出たときには、必要な個所のファンフィルターユニットのみを「強」運転を行う、省エネ制御運転をすることで、ファンフィルターユニット電力は▲40%減にすることができました。
この事例での学び・教訓は、クリーンルームを綺麗にすることの本質は、最新設備、装置、エネルギーを使って綺麗することではなく、汚くする要因を知って、減らしていくことでした。
大きな「揺らぎ」は、異常として我々にも感じたり、
見えたり、不具合として見ることが出来るのですが、
「診える化」にて今まで見なかったものを観ていくと、
ものごとには必ず「揺らぎ」が在って、改善領域が
眠っていることに気付きました。
「良い状況・状態をつくっていれば必要なエネルギー
は最小になるのです。先ずは、良い状態・良い状況
をつくることが省エネ活動の本質なのです。」
生産現場を良い状態や良い状況にするために
エネルギーを使用しているのですが、『真の省エネ』
とは、エネルギーを使って生産に関わることを良い
状況・状態をつくりあげるのでは無く、エネルギーを
使わざるを得ない要因・因子を知って、その要因・
因子を少なくすることや、無くしていくことが、エネル
ギーを大切に使うこととなり、更に、悪くなる要因・
因子が少なくなって良い状況・環境ができているの
です。
20.09.25
■ 環境/エネルギーの『診える化』
今回は、大きな学び、教訓を得て、エネルギーの改善取組への概念を変えることになった、環境/エネルギーの『診える化』、“環境あんどん”とその基本理念について少し触れさせていただきます。
“環境あんどん”は、オムロン(株)の電力環境監視システムですが、生産現場の各装置電力の使用量と状態の変化を表示して、その変化から改善へのコミュニケーションを図る「省エネ環境コミュニケーションボード」としての活用運用を進めたもので、私はその開発に携わることができました。
“環境あんどん”で最も大切にしたものは、監視・管理思想から3現主義で、改善へのコミュニケーションを図り、原理原則を大切にして、改善を進めることです。このコミュニケーションボードにて、見える化・あるべき姿との
ギャップ・診える化・5ゲン主義・改善コミュニケーションの大切さを学ぶことができました。
『診える化』は、「診て」改善することで、“環境あんどん”では以下のようなコンセプトを大切にしています。
「見える化」とは違った『診える化』システムのコンセプト
*生産マネジメント単位に「診て」改善する
・専門家でなく現場の全ての人が診て、
感じて、触れる
・あるべき姿とのギャップが判り、
気付きが生まれる
・生産現場と同じ枠組みで各自が診える
・コミュニケーションツールとして改善に活用
“環境あんどん”の工夫として
・リアルタイムに表示し、異常を知らせてくれる
システム
・難しくなく、生産現場の全ての人が使え、
いつでも診れる
・一元化・実データ・実数値で議論ができ、現場で
気付きと改善ネタを得るコミュニケーション
ツールとして生かす
『診える化』システムのコンセプト、“環境あんどん”
の工夫は、どの様な改善システムにも活用ができる
ものと確信しています。