コラム”Ecoものづくり情報”

20.09.10

■ 「揺らぎ」取組

 前月、一般的エネルギーロス領域と新たな「揺らぎ余裕」を知って、改善取組を進めて行けば、様々なエネルギー改善取組事例を通して、「エネルギーの改善領域は30%はある」とお伝えしました。今回は、その「揺らぎ余裕」を知るキッカケとなった、「揺らぎ」への知見「揺らぎ」取組について事例を交え紹介をさせていただきます。大きな学び、教訓を得て、エネルギーの改善領域への概念を変え、「省エネ改善の本質」が何かを知ることができた事例です。

 

◎クリーンルーム、パーティクル量の揺らぎ改善と省エネ事例

 電子機器製造のクリーンルームで、1分毎にパーティクル量( 0.5μ微小チリ・ゴミの量が1キュービックフィート当たり浮遊している数)の計測と電力量を計測し、「電力環境監視システム」にて、電力・環境の「診える化」を行いました。 

クリーンルーム室内のパーティクル量は、一般的には定期計測(毎朝、毎月等)で、パーティクル量は規定値内で安定していましたが、1分毎の常時観測をしているとパーティクル量は刻々と変化し、時には大きな変動をして、異常値が出ていることも初めて知ることになりました。

そのパーティクル異常時に、現場に行って、状況・現実を観ると、異常となる原因(汚染原因)や変化(4M変動)への気付きが在って、異常を起こす要因を見付けることになりました。そして、不具合要因を改善する本質改善に繋がっていきました。

 「診える化」取組にて、大きな「揺らぎ」から10件程の改善を約3ケ月間で行なうことで、管理値を超える異常は無くなり、「揺らぎ」は少なくなって、パーティクル平均値は極少化し、1/3以下の数百ppm以下にすることができました。

また、クリーンルームのファンフィルターユニット(FFU)数台を、通常時は「弱」運転にすることができ、パーティクル量が少し出たときには、必要な個所のファンフィルターユニットのみを「強」運転を行う、省エネ制御運転をすることで、ファンフィルターユニット電力は▲40%減にすることができました。

 この事例での学び・教訓は、クリーンルームを綺麗にすることの本質は、最新設備、装置、エネルギーを使って綺麗することではなく、汚くする要因を知って、減らしていくことでした。

 

 大きな「揺らぎ」は、異常として我々にも感じたり、

見えたり、不具合として見ることが出来るのですが、

「診える化」にて今まで見なかったものを観ていくと、

ものごとには必ず「揺らぎ」が在って、改善領域が

眠っていることに気付きました。

「良い状況・状態をつくっていれば必要なエネルギー

は最小になるのです。先ずは、良い状態・良い状況

をつくることが省エネ活動の本質なのです。」

 生産現場を良い状態や良い状況にするために

エネルギーを使用しているのですが、『真の省エネ』

とは、エネルギーを使って生産に関わることを良い

状況・状態をつくりあげるのでは無く、エネルギーを

使わざるを得ない要因・因子を知って、その要因・

因子を少なくすることや、無くしていくことが、エネル

ギーを大切に使うこととなり、更に、悪くなる要因・

因子が少なくなって良い状況・環境ができているの

です。

図200910.png

20.09.25

■ 環境/エネルギーの『診える化』

今回は、大きな学び、教訓を得て、エネルギーの改善取組への概念を変えることになった、環境/エネルギーの『診える化』、“環境あんどん”その基本理念について少し触れさせていただきます。

 

 “環境あんどん”は、オムロン(株)の電力環境監視システムですが、生産現場の各装置電力の使用量と状態の変化を表示して、その変化から改善へのコミュニケーションを図る「省エネ環境コミュニケーションボード」としての活用運用を進めたもので、私はその開発に携わることができました。

 “環境あんどん”で最も大切にしたものは、監視・管理思想から3現主義で、改善へのコミュニケーションを図り、原理原則を大切にして、改善を進めることです。このコミュニケーションボードにて、見える化・あるべき姿との

ギャップ・診える化・5ゲン主義・改善コミュニケーションの大切さを学ぶことができました。

 

 

 『診える化』は、「診て」改善することで、“環境あんどん”では以下のようなコンセプトを大切にしています。

「見える化」とは違った『診える化』システムのコンセプト

 *生産マネジメント単位に「診て」改善する 

 ・専門家でなく現場の全ての人が診て、

   感じて、触れる

 ・あるべき姿とのギャップが判り、

   気付きが生まれる

 ・生産現場と同じ枠組みで各自が診える

 ・コミュニケーションツールとして改善に活用

 

 

“環境あんどん”の工夫として

 ・リアルタイムに表示し、異常を知らせてくれる

   システム

 ・難しくなく、生産現場の全ての人が使え、

   いつでも診れる

 ・一元化・実データ・実数値で議論ができ、現場で

   気付きと改善ネタを得るコミュニケーション

   ツールとして生かす

 

 

 『診える化』システムのコンセプト、“環境あんどん”

の工夫は、どの様な改善システムにも活用ができる

ものと確信しています。

図200925.png