コラム”Ecoものづくり情報”
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■ 改善の4原則=ECRS
Ecomo
Ecology&Economy manufacture optimization supporter
"Ecoものづくりサポーター”
エコモ研究所 宇田英夫
〒602-8148 京都府京都市上京区丸太町通堀川西入西丸太町185番地
京都二条ハイツ703
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コラム”Ecoものづくり情報”
18.04.10
■品質コミュニケーション
昨年2月からおよそ1年間、「品質」についての“私の想い”と品質改善に関わる手法・ポイントについてお話をしてきました。「品質」についての話を一区切りをつけて、次月からは新たな話題の話をさせて頂こうと思っています。そこで、今回と次回は、「品質」において重要な「コミュニケーション」と「人財育成」についてお話をさせていただきます。
今回題材の品質コミュニケーションとは、何でしょうか?
2016年4月コラム「全方位コミュニケーション」にて、コミュニケーションとは「仕事を進める中で、全てのことが活かされるように、情報や経緯・結果・状況を知らせて、相談をすることで、心と心とが触れ合って改善を速く進めて、『最適化』して行くこと」とお伝えしました。
品質マネジメントシステムでは、品質の内部コミュニケーションとして以下の様にも述べられています。
コミュニケーションは英文では“communication”であり、情報の交換、或いは、それによって考えや意思を共有することを意味する言葉である。TC176指針(6)では「情報交換」のことと説明されているが、規格では情報交換、情報伝達の両方の意味で使われている。規格では情報伝達、情報交換することには“communicate”が使われており、JISは「周知」「伝達」と和訳している。内部コミュニケーションとして、 トップマネジメントは、組織内にコミュニケーションのための適切なプロセスが確立されることを確実にしなければならない。また、品質マネジメントシステムの有効性に関しての情報交換が行われることを確実にしなければならない。と言われています。
さて、品質問題、課題解決に向けては、どこで、どれくらい、どんな不良が発生しているかを調べて、不具合発生要因を洗い出し、対策を取っていくという科学的なアプローチが王道です。しかし、改善活動にて最も大切なことは、現場と「積極的に関わること」「自分からコミュニケーションを取ろうとすること」ですが、簡単なようで実はとても難しいことなのです。仕事を進めるときには、いつもコミュニケーションを深めることが大切で、そのことによって「現場が喜ぶ」こと、「現場を楽にさせてあげる」ことができる情報となって、日々の改善活動に深みができていくものです。それは、QC改善手法だけでは充分には活かしきれない品質改善領域が必ず眠っていて、よくお伝えしている『診える化』改善に重要な、4M+Eの揺らぎ情報がコミュニケーションによって生かされるからです。
品質のコミュニケーションを深めるツールとして、「品質コミュニケーションボード」を活用することも在ります。「品質コミュニケーションボード」は、歩留り、不良品、不良内容、不良分析、改善ノウハウ、改善取組計画等の品質に関わる情報を掲示して、日々の品質改善への情報を提供して品質のコミュニケーションができる様にしてるボードです。
品質コミュニケーションで重要なことは、日々現場のコミュニケーションを大切にして、心の通ったコミュニケーションを行なって頂き、『診える化』を進めて、品質改善、品質向上に繋げて頂くことで、日々都度の品質コミュニケーションを切に願っています。
18.04.25
■品質人財育成
今回で『品質』テーマについては一区切りとさせていただきます。今回は、品質人財の育成についてお話をさせていただきます。前月、「品質への想い」の中でも述べさせていただきましたが、やはりものづくりを支える「人づくり」が最も重要なベースとなるものです。また、『品質』とは「仕事の質」・「人の質」のことです。ともお伝をして品質と人との関わりの大切さをお伝えしてきました。
さて、自らの「品質への想い」を持って、品質での課題抽出を行い、品質改善へのアイデア・立案ができ、品質改善を自ら進めていく行動能力に優れた自律型の人財が、「品質人財」と私は思っています。
その「品質人財」を育てて行くには、先ず、品質への心得と一般業務基礎知識を持ってもらった人を育て、様々な品質改善への手法やツール(P管理図、4M変動管理表、QC七つ道具、QAネットワーク、工程FMEA、工程能力CP値等)をOFF-JT、自己啓発で学び、現場で活用できる品質手法を実践活用して、品質課題への改善を進めて行く、品質改善のPDCAを回すことができる人財を育てると言うことです。OFF-JTより益して、職場・現場でのOJTがとても重要なことなのです。
改善が進んで行くと、新たな品質課題が必ず見えてくることになります。そして更に高いレベルの品質課題へとチャレンジすることが求められてきます。そのようにあるべき姿への品質へ挑戦し続けることが、品質スペシャリスト人財となって、更に品質改善実績を積み重ね、経験を積んで行くことで、品質エキスパート人財となり、品質人財として大きく伸びて行くことになると思っています。日々品質改善活動を進めることが最も重要なことで、さらに品質管理や品質保証業務と一体化していくことも大切です。
品質をつくり込むということは、人が品質改善の意識を持って高められるように手助けをすることです。
品質人財育成においても、個人の能力を高めるだけではなく、チーム力・総合力が問われる時代になっています。担当者一人の頑張りで、品質管理ができる、品質改善が進むものではありません。
メンバーも含めた改善力・現場力を向上させることが、リーダーの仕事でもあり、立派なリーダーの下で人は育つのです。人を育てるうえで有名な山本 五十六の格言に、『やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かず』 があります。人に育てるには、人に愛情を持って、品質改善が日々進んで行って、「働き易い職場、働き易い環境」を育てて頂ければ、品質は必ず高まってくものと私は確信しています。