コラム”Ecoものづくり情報”

18.02.10

■「ポカミス」

 品質改善の話題の中で、現場の方から「ポカミス不良が多くて困っています。」とよく聴くことがあります。

一般的に、ポカミスは「不注意からくるミス」として用いられています。「不注意から・・・」とすると単純な人のミスで、その責任は人にあって、対応は「注意・徹底をする。」とされることになります。本当にそれで良いのでしょうか・・・?。本質要因・真因は別のところに在りそうです。今回はその「ポカミス」について少し考えたいと思います。

 

 「ポカミス」とは 、「ポカ」と「ミス」と言う同じ意味の言葉を重ねた重複表現ですが、 「ポカ」は不注意から起こした思いもかけなかった良くない出来事で、「ミス(失敗)」は不本意な結果が生まれた行為または不行為ということです。 人の行動の中でうっかりとミスをしてしまうことをものづくりの現場では慣例的に「ポカミス」と表現しています。「ポカミス」「うっかりミス」とも言われていますが、人に関わり起きるミスでもありヒューマンエラーとも呼ばれています。

 

 さて、なぜ「ポカミス」が起こってしまうのでしょうか?。人に対してミスをしてはいけないという過度な緊張や注意負担を掛けることには、無理があります。人は適度な緊張感をもって仕事をしていても1000回に3回、必ずミスをするというものです。ミスヒューマンエラーが起こることは止むを得無い、自然なことなのです。「勘違い」、「思い違い」、「聞き違い」、「早飲み込み」、「忘れる」、「緊張感が切れる」、「集中力が切れる」、「無責任」、「他責化」などは極めて人間らしいことと理解し、認識を持つことが大切です。
 人がミスをすることは「当たり前のこと」として、そのミスを起こしたときの状況を把握して、分析することから始めて欲しいのです。
どんな場合にミスが発生するのだろうか?。日時、時間帯、曜日、どの仕事で、どの職場でと言うように、よく観て、「ポカミス」の本質要因・真因が見えてくるものなのです。なぜミスをしたのか?、やり難い作業や注意を要する作業を過度にカバーさせようとしていないか?。と言う作業者の周りの要因を広げ、深める視点が、真因・本質対策にとってとても大切なことになります。

 

◎「ポカミス」の要因、種類

 ①人が作業で、ミスをした。

   ⑴認識ミス、 ⑵判断ミス、 ⑶行動ミス

 ②設備、環境の要因で、

       人のミスが誘発された。

 ③管理、情報伝達の要因で、

       人のミスが誘発された。

18.02.25

■ポカミス対策、ポカヨケ

 「ポカミスが起こる影響要因を広げて、深める視点が、ポカミス要因を正しく捉えていくことには必要で、真因・本質対策にとってとても重要なことです。」とお伝えしました。

今回は、そのポカミスの改善・対策となる「ポカミス対策」について紹介をさせていただきます。

 

 ポカミス防止を図るには、作業者に「注意、指導、徹底している。」ではなく、ミスを誘発した背景に潜む要因や仕組みに着目する必要があります。いろいろな人にお話を伺うとミスそのものを改善の目的としている人が圧倒的に多いようです。ミスを目の敵にして無くそうとすると、ミスを犯す人に全ての責任があるとしてしまう怖さがあります。ミスは個人の資質の問題であると考える人が少なくない中で、ミスに的を絞ると犯人捜しが始まってしまうのです。そこに落とし穴があるように思います。

人がミスをすることは「当たり前のこと」なのです。「ミス」は必ずやるものと肯定することを出発点にする、「性善説」に基づいて原因と対策を考えていくことが、ポカミス対策」を行う出発点になります。

 

 英語にFool-proof(間違えない)と言う単語があります。産業分野では間違った操作が起こらないような設計を言いますが、製造現場では、ラインに設置される装置の作業ミスや、不良流出を防止する仕組みのことを「フールプルーフ」とも言います。同様の意味を持つ言葉として「ポカヨケ」があります。ポカをなくすという意味で「ポカヨケ」と称するようになったようです。ポカミス対策として、「ポカヨケ」「フールプルーフ」も良く使われています。

 

 さて、ポカミス対策は、前回紹介をしたポカミスの要因、種類に沿って対応を深めていただきたいのです。

「ポカミス対策」で意識していただきたいことは以下の通りで、そして下図のポカミス対策を参考にして、ポカミス改善を進めていただき、働き易い職場・工場へとして欲しいのです。

 

◎「ポカミス対策」で意識する内容

 ①人のマインド、集中力と風土を高める

 ②ミスの起きにくい仕事環境をつくる

 ③ミス防止を前提とした仕事の計画、

                      段取り

 ④ミスの検出力を高めた防止力を高める

 ⑤ミスが起きやすい変更、変化時の

                 防止力を高める