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コラム”Ecoものづくり情報”

15.05.10

■『志』の寓話・・・お城の石垣職人

 『志』・想い・ビジョンを持つことの大切さをお伝えしました。

私が、仕事を進める上で、上司としての在り方と自らの『志』を持つことの大切さを知ることができた「お城の石垣職人」の寓話を紹介します。

 

 旅人が、ある日、新しいお城を造っているところにさし掛かり、数人の職人が石垣を造ろうと石を積んでおられました。

旅人は、その石垣職人の労をねぎらいつつ、次のような質問を職人に投げかけられたそうです。

「あなたは、なぜ、その石を積んでおられるのですか。」

 

一人目の石垣職人さんは、次のように答えられました、

「私は、棟梁に、石を積んで石垣を造るように言われ、言われた通りに石を積んでいます。」

 

 同じように二人目の石垣職人さんにも尋ねられたそうです。

「あなたは、なぜ、その石を積んでおられるのですか。」

 

二人目の石垣職人さんは、次のように答えられたそうです、

「私は、棟梁に、良い石垣を造って欲しいと言われ、良い石垣を造ろうと工夫をしながら石を積んでいます。」

 

 旅人は、尋ねた二人の職人さんの答えが違っていたので、他の石垣職人さんにも同じように質問をされたそうです。

「あなたは、なぜ、その石を積んでおられるのですか。」

 

三人目の石垣職人さんは、前の二人とも違って次のように答えられたそうです、

「私は、棟梁に、立派なお城を造るように、その土台となる頑丈な石垣を造って欲しいと言われ、お城の頑丈で立派な石垣を造ろうと石を積んでいます。私は皆さんに喜ばれるようなお城を造っているのです。」

 

 私は、三人の石垣職人さんの答えは三人三様でしたが、三人の職人さんの石を積むことへの“想い・志”は少しずつですが違っていて、同じ仕事をするにも、仕事に対する捉え方や意識、取組み方が違うことで、仕事の出来栄え・成果=仕事の価値は少しずつ変わって、いつか大きな違いになってくる様に思っています。

この寓話は、私達に、棟梁(上司)として、仕事への“想い”の伝え方と『志』の与え方を教えてもらうとともに、職人(本人)が『志』を持つことの大切さを教えてもらった事例だと思います。

 

15.05.25

■「本質を見る力」を育て

  「本質を見る」とは、「見えないものを診る」ことです。そして、「本質を見る力」とは、『診える化』を深める力です。

 

  「見えていないものに、本質がある。 見えていないところに、心がある。」と思っています。

  ものごとの本質は、見えていないものの中にあることが多いものです。

  私は、『見えないものを診る』ことを、多くの詩、寓話や事例の中で、教えてもらうことができました。その一部を紹介しま

  しょう。

 

◇大正時代の童謡詩人の金子みすずの 「星とたんぽぽ」の詩

    「星とたんぽぽ」は、私の好きな詩のひとつで、金子みすずさんの詩の

   中でも良く知られている詩です。

   この詩には、夜には見えている月や星も、昼の太陽に隠れて私達の目

   には見えていない月や星があるのです。また、たんぽぽの根も、土の

   中に眠っていて、普段は人の目には見えないものです。

   その見えていない土の中で、根が生きて、見えていない土の中の根が

   たんぽぽにとっては大切なものだと言うことです。

   そのたんぽぽの根が育っていくには、土の中の様々な命を繋ぐための

   栄養素やミネラル、バクテリアは私達には全く見えていないのです。

 

◇2013年の映画「奇跡のリンゴ」

    青森リンゴ農家の木村秋則さんの無農薬栽培への挑戦を映画化した

   物語です。

   木村さんは奥様が農薬で身体を悪くされたことをきっかけに、無農薬・

   無肥料のリンゴ栽培に挑戦し、10年近く無収穫が続き、苦難の日々が

   続いたのです。

   しかし絶望の淵で、森の木が無農薬で大きく育っていることに気付き、

   その木の見えない根が、土が、ミネラルが、木を育てていることを知り、

   土を育て、見えないものを見る・知ることで、無農薬リンゴ栽培を成し

   遂げた感動映画です。

 

◇サン=テグジュペリ(フランス)の小説「星の王子さま」

    砂漠で不時着した青年が、小さな星からやってきた不思議な王子さまに出会い、王子の様々な星の旅から知る物語

      です。

   その中で、王子が自分の星を思い泣いているところに、きつねに出会い、自らの星で育てたバラの花への想いから

       王子星へと帰ることを決め、きつねが最後に教えてくれたことは、「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。

       一番大切なことは、目に見えない。人間たちは、この真実を忘れてしまった」と言うことでした。

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