
コラム”Ecoものづくり情報”
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■ 改善の4原則=ECRS
Ecomo
Ecology&Economy manufacture optimization supporter
"Ecoものづくりサポーター”
エコモ研究所 宇田英夫
〒602-8148 京都府京都市上京区丸太町通堀川西入西丸太町185番地
京都二条ハイツ703
TEL 075-756-3353
携帯 080-3032-7213
Email ecomouda@ab.auone-net.jp
HP http://www.ecomouda.com
コラム”Ecoものづくり情報”
20.03.10
■ 工場の「省エネ」取組
今回から、私の経験した工場の「省エネ」取組とこれから進めて戴きたい省エネ革新活動について紹介をさせていただきます。
先ず初めに、私が経験した「省エネ」取組についての紹介をさせていただきます。
このホームページのサポーター紹介と取組改善革新例にも紹介させていただいていますが、私は2010年10月から約3年間、京都府北部のオムロン株式会社綾部工場にて、省エネ環境Eco活動をEcoファクトリープロジェクトとして進めさせていただきました。そのEcoファクトリープロジェクト活動は、省エネ・環境負荷低減取組を工場で進め、Eco活動の推進を図るプロジェクト活動でした。
プロジェクト活動はご存じの通り、期間とメンバーとOUTPUT(成果目標)を定めた活動です。最初に取り組んだEcoプロジェクト活動は、実は工場のワンフロアを対象にした電力と環境の見える化と省エネ取組で、数人の小さな活動からスタートしました。
その「省エネ」取組での小さな改善や様々な取組事例から、多くのことを学び、Eco活動は工場全体のEcoファクトリー活動へと展開して行きました。 先月、先々月にお伝えした『診える化』と『最適化』とEcoものづくりについてもこの省エネ取組・Ecoプロジェクト活動から学び得たことです。
綾部工場では、2010年頃までは環境マネジメントシステムにて「省エネ」取組も進められており、ガスコージェネレーションシステムの導入や工場使用電力のモニタ&電力量データ監視が行われ、電力のムダをチェックしたり、工場エアー配管でのエアー漏れのチェックによる改善取組が行われていました。また、空調の温度管理や休み時間と不要な場所の照明消灯および未使用時のPC電源OFF等が行われていて、「省エネ」取組は積極的に進めれていました。
日本の多くの会社、工場、職場においては、「省エネ」取組の言葉はよく知られていて使われていてます。また、2010年頃にも「省エネ」は使われていましたが、会社・工場内の総務部門や設備管理部門の一部専門領域での取組として理解され、工場の他部門や一般には、不要な照明の消灯や未使用・非稼働設備の電源OFFが主流の取組のように理解されていたようです。
工場での「省エネ」取組は、一般的にエネルギー供給者のファシリティ部門が中心となって、エネルギーとされる電力・ガス・重油・エアー供給と空調設備や照明設備管理とされ、そのエネルギーの使用者となるファクトリー部門の生産ラインにエネルギーが使用されています。綾部工場での省エネ取組は、エネルギーの使用者である生産ラインの省エネ取組から始まり、ファシリティーとファクトリーの繋ぎの省エネ取組への進んで行きました。
これからの会社・工場では、エネルギーの供給者となるファシリティ部門の「省エネ」取組とエネルギーの使用者となるファクトリー部門の「省エネ取組」と、その繋ぎとなる「省エネ」取組が本来はとても重要なことです。
是非、エネルギー供給側とエネルギー使用側の両取組と繋ぎを大切にした「省エネ」取組を期待します。

20.03.25
■ 工場での省エネ活動
今回は、工場での省エネ活動について紹介をさせていただきます。
工場のファシリティー部門(エネルギー供給部門)の省エネ取組は、
各系統別に空調設備(マルチ空調・個別空調)、照明装置(室内灯・外灯・非常灯)、エアー供給設備(コンプレッサー)、蒸気発生供給装置(ボイラ)、給湯装置、電気・ガス・燃料供給設備等のエネルギーを供給する設備が在り、省エネ活動ができます。
また、ファクトリー部門(エネルギー使用部門)の省エネ取組には、
各種の生産・製造ラインで、ものづくりに必要な生産設備・製造装置が在ります。
例えば、加熱炉(燃料・ガス炉、電気炉)、成型機、加工機、組立機、搬送装置、冷凍冷蔵庫、温冷水装置、自動倉庫等の様々なエネルギーを使用する装置が在り、省エネ活動ができます。
近年の省エネ活動では、2011年3月の東日本大震災による電力供給逼迫から計画停電も実施され、節電対策による省エネ活動が叫ばれました。そこで工場では、電力供給側の省エネ活動として電力デマンドの監視による電力使用量のピークを下げるピークカット・ピークダウンが主取組とされました。また、空調温度設定を抑える(夏冷房温度19℃、冬暖房温度28℃設定)取組や使用電力量がピークとなる時間帯(13:00~15:00頃)に、一部エリアの空調を停止する取組が主に行われていました。さらに未使用装置の電源OFF や照明の消灯、PCのバッテリー稼働等が行われ、いわゆる節電意識の醸成としての節電対策が行われました。それらのことにより省エネ活動が「我慢する活動」と思われることになりました。
今日では電力逼迫状況は無くなり、
節電・省エネ意識も弱まりつつありますが、
工場での経営効率・コスト低減を図ることから、
エネルギー使用量を抑える省エネ取組が進めら
れています。そのような中、工場ではエネルギーの
供給者となるファシリティ部門の「省エネ」取組と、
エネルギーの使用者となるファクトリー部門の
「省エネ取組」を進めること、またその繋ぎとなる
「省エネ」活動が益々重要なことになってきます。
工場での省エネ活動が、
節電対策、ピークカット・ピークダウン取組から
ファシリティー部門(エネルギー供給部門)と
ファクトリー部門(エネルギー使用部門)を繋いだ
省エネ取組となり、
本来の望む『診える化』への取組によって、
「真の工場での省エネ活動」となって、
更に工場の『最適化』に向かって取組まれること
を切に願っています。
