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コラム”Ecoものづくり情報”

18.12.10

■ X-Y理論

 IE改善を進めて行くには、人を大切にする改善活動が極めて重要なことです。

自己の能力を発揮し、さらに能力を高めて、皆さんの改善欲求を満たした取組となる様に、ヒューマン特性を理解して頂きたいのです。では今回は、X-Y理論を良く知ってもらいましょう。

 

 X-Y理論は、ダグラス・マクレガー(1950年代後半にアメリカの心理・経営学者)によって提唱された人間観・動機付けに関わる対立するX理論とY理論のことを言います。

先月お話をした、マズローの欲求段階説をもとにしながら、「人間は生来怠け者で、強制されたり命令されなければ仕事をしない」とするX理論と、「生まれながらに嫌いということはなく、条件次第で責任を受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとする」Y理論とがあるとされています。

 X理論においては、マズローの欲求段階説における低次欲求(生理的欲求や安全の欲求)を比較的多く持つ人間の行動モデルで、命令や強制で管理し、目標が達成出来なければ処罰といった「アメとムチ」によるマネジメント手法となります。
 Y理論においては、マズローの欲求段階説における高次欲求(社会的欲求や自我・自己実現欲求)を比較的多く持つ人間の行動モデルで、魅力ある目標と責任を与え続けることによって、従業員を動かしていく、「機会を与える」マネジメント手法となります。Y理論では、企業目標と従業員個々人の欲求や目標とがはっきりとした方法で調整出来れば、企業はもっと能率的に目標を達成することが出来ると示しています。つまり、「企業目標と個人の欲求が統合されている場合、従業員は絶えず自発的に自分の能力・知識・技術・手段を高め、かつ実地に活かして企業の繁栄に尽くそうとするようになる」と言っています。

 

 IE改善は、ヒューマン特性を良く知った上で、もちろん物理的欲求(基本的な欲求・安全の欲求)を叶えた上で、目的・目標を正しく高く捉えて、理論的な改善手法を活用し、高次の欲求(社会的欲求・自我の欲求・自己実現の欲求)に応える取組です。

IE改善で、成果を高め、工場・職場を“あるべき姿”=働き易い職場・働き易い環境へ、速く創っていただくための取組です。

図181210.png

18.12.25

■ モーションマインド 

 IE改善を進めるには、人に関わる理解を深め「マネジメント」力を高めることが重要で、IE改善を進めて行くための人への行動を理解すること、ヒューマン特性を持つことの話をしました。 改善に対する哲学、人に関するヒューマン特性を正しく理解して、ヒューマン特性の理解と愛情を深めていただくために、IE改善への“想い”、 「マズロー5つの欲求」や「仕事の動機付け」、「人間の本質(XーY 理論)」について、10月から紹介しましたので、是非とも理解した上での原理・原則に沿って改善を進めてください。

 

 改善への原則が頭に染み込んでいて、いろいろな場合に、その場に適した原則が直ぐに浮かんでくる人のことを「モーション・マインドがある人」と呼んでいます。そのモーションマインドとは、生産管理用語で作業改善を推進する心構えのことです。

JIS Z8141規格の定義は以下のように、 モーションマインド(motion mind): 「作業方法又は動作方法について,その問題点が判断でき,より能率的な方法を探求し続ける心構え。」とされています。

 

 多くの作業改善の専門家は、そのモーションマインドの優れた人であり、それらの人たちの多くは、ほとんど無意識的に、いわゆる「常識」によって作業の改善をしています。 モーション・マインドは、動作の良し悪しに関する「勘」のようなもので、ムリ・ムダ・ムラ動作を感知するセンスともいえます。日常の作業において習慣化した作業方法も、その内容を詳しく分解して検討してみると、意外にムリ・ムダ・ムラが多いものです。常に改善を意識し、問題点を発見できるように身に付けて行くことが大切です。

 

◎モ-ションマインドは、

 a.人の仕事の方法のムダがひと目で発見でき、それが気になってならない感覚

 b.ムダな方法をどう変えればよいかを直ちに案出できる能力

 c.正しい改善の手順に従った思考プロセスが自動的にたどれる習慣   です。

図181225.png
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