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コラム”Ecoものづくり情報”

16.02.10

■未来予測の『最適化社会』

 現在、グローバル化やボーダレス、情報化、サイバー(仮想)社会等、変化の激しい社会が続いており、未来への希望と不安の中で、企業家・技術者・知識人による社会変革予測・未来予測がされています。
英エコノミスト誌編集部による『2050年の世界』には、「日本は世界史上、未踏の高齢社会になる」との見通しと、「10年に世界経済の5.8%を占めた日本の国内総生産(GDP)は30年に3.4%、50年には1.9%に」との推計が載っています。
 
 多くの経済学者や哲学者、研究者等が未来予測を行っておられますが、オムロン株式会社の創業者:立石一真氏は、1970年に以下の様に、『最適化社会』を未来予測していました。
その未来予測は、「工業社会」は手工業社会+工業化社会+機械化社会+自動化社会+情報化社会を総称する概念で、それぞれの社会は、一つ一つが分断化されて存在し、いくつもの社会的要素が混在しながら推移していくと考え、我々が生きている現在は「最適化社会」であり、「最適化社会は工業社会と自律社会の橋渡し期間」と位置づけられているということです。
最適化社会(2005~2024年): バイオネーション革命
 
  現在の社会・最適化社会は、工業社会と自律社会の橋渡し期間と位置づけられるが、時代の端境期として破壊と創造が交錯する20年になる。今からは「商品を売る時代」から「課題を解決する時代」となっていき、中央集権から地方分権へ、環境・安心・安全・健康が重視される時代に向かって動いている。「工業社会の価値観」と「自律社会の価値観」がぶつかり合い、葛藤しながらバランスを取って、自律の為の最適な状態がつくりだされていく。
 従来の産業分類的な企業のあり方ではなく、新たな分類に向かって企業連携が大切になっていくと想定される。個人と社会、人と自然、人と機械が最適なバランスを保ちながら融合していき、一人一人が喜びを追求する社会、即ち「ソーシャルニーズ・オリエンテッドな社会」が構築されていくまでのプロセスの時代となる。技術的には生体制御技術から精神生体技術が発展する時代。
 

16.02.25

■『SINIC理論』(立石一真氏から学ぶ)

『SINIC理論』とは
「イノベーションの円循環論的展開(Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution)」のことであり、立石一真氏(オムロン株式会社創業者)が1970年国際未来学会で発表された未来予測理論です。
科学」と「技術」と「社会」の間には円環論的な関係があり、相関関係により、お互いが原因となり結果となって社会が発展していくという理論です。
 
『最適化社会』は
 人間と機械が理想的に調和した社会であり、生産性や効率の追求に代わって、人間としての新しい生き方や自己実現が相対的に重要になります。そのとき人間は、より本質的な欲求、例えば、健康で幸せに長生きしたい、快適な生活を送りたい、生涯学習を受けたい、楽しい余暇を過ごしたい、といったことを重要視するようになるとされています。
『最適化社会』の次なる社会として『自律社会』へ、そして『自然社会』へ向かっていくと予測されています。
 
自律社会(2025~2033年):サイコネーション革命
 
 自律社会においては、知識産業から智慧産業へとシフトしていく。個人個人が自ら考え、自ら望む人生を歩むような社会となり、個人個人の自律化(自己選択、自己決断・自己責任)も求められるようになる。自分らしく生きるオンリーワンを目指す社会となり、社会からの束縛を受けずに、自分の決めた規則に従って生きるようになる。また現在の「機械に人が合わせる」(フィードバック)時代から「人に機械が合わせる」(フィードフォワード)時代へシフトしていく。経営の自律、事業の自律、個人の自律が尊重されるが、ある意味では個人に厳しさも求められる時代となる。精神生体技術から超心理技術が発展する時代。
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