
コラム”Ecoものづくり情報”
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■ 改善の4原則=ECRS
Ecomo
Ecology&Economy manufacture optimization supporter
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エコモ研究所 宇田英夫
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コラム”Ecoものづくり情報”
15.10.10
■「見える化から「観える化」へ
「見える化」することで、現場の実態や問題・課題が見えてくることや、気付きとなって現場の改善が進んで行くことで、ものづくりの現場力は高まっていきます。
しかし、「見える化」を進めていくことだけで、「強い現場」ができていくのでしょうか?
私は、「見える化」を深めて「観える化」へと進化をさせ、更にもう一歩深める『診える化』へと向かって進めて頂くことが重要なことと思っています。
その「見える化」から進化した、「観える化」について今回はお話をさせて頂きます。
工場のものづくり現場の多くは、現象や事象を正しく掴むために、目的に合わせて様々なデータを取得して、事実や事象の真因を掴み改善を進めています。そのデータを目的に合わせて層別化して、分析・解析をし、データをより深く見詰めていくことが観察の「観」が「観える化」です。そして、ものごとを深く・細かく見詰めていくことが「観える化」の進化となって、見えているものの本質を感じることに近づいていくことになり、「観える化」が進化していくことになっていきます。
◎観る・観察する
対象の実態、本質を知るために、対象を詳細に注意深く見ることで、
⑴ 主体的に観ること
・興味、好奇心、感心を持って見つめること
・五感を使って、体験、体感すること
・知識を深めること、調べること
・想像力、推察力を持って観ること
⑵ 記録、記載を活かす工夫をすること
・事実を観測し、絵、図、データで記録すること
・記録を整理すること がポイントになります。
◎「木」を観る(観察する例)
・「木」を観るとは、
木の大きさ、高さ、太さ、幹を観る、枝を観る、茎を観る、葉を観る、
葉の裏(葉脈)を観る、葉の大きさ・色・形を観る、そして、木の周り
(気温、臭い、落ち葉)を観る、根を観る、根の周り(土・虫・)を観る
などで、本当の木の存在を知ることに近づきます。
私達が見ている、知っている「木」は、ほんの一部を見て「木」と思っていることを、知ることが大切です。
工場の中で、私達が見えていること、見ていることが、全てでは無い、本当のことは探って行かなければ、良く観て行かなければ、診えないと知ることではないでしょうか。「観ることの大切さ」がそこに在るように思います。

15.10.25
■「森を見て、木を観る、そして」
私は、『診える化』を感じていただくために、よく「森を見て、木を見る、そして・・・・」とお伝えをしています。森を見て、木を良く見ていくと、木には幹も、枝も在って、葉の細部も良く観ていくように、木の様々な見方をしていかなければ、本当の木の姿は解らないものです。
そして、木を深く感じて、よく観ていくことが、「見える化」を深め・広めていくことになって、観察の「観」の「観える化」となり、次に繋げる『診える化』へと深まっていきます。
それは、木の葉の裏には葉脈や葉毛があって、その葉の葉脈は自然に無理なく「あるべき姿」に近づいているのです。単に、木を見る「見える化」から、木の様々なものを観察する「観える化」へと進み、更に少しずつ「観える化」を進めて行くと、今までに感じていなかったものを感じるようになっていきます。自然を見つめていくことが、なるべくしてなっているものを見て、あるがままの姿を感じることができて、私達の感性を高めてくれているのではないでしょうか。そうしていくことが、今まで見えていなかったものを、見えないものを感じ、探っていく、『診える化』へと近づいているのです。
実は、木は、幹・枝・葉の地上に出ているものだけではなく、地面の下には必ず根があって、木が元気に育っていくには、その根が広く・深く・太く・伸びていかなければならないことに気付いていきます。その根が育つには、根の周りに在る土が、虫や微生物が土を耕し、その虫の糞や微生物が、また落葉や土や鉱物の栄養素(ミネラル)となって、自然が木を育てていることに気付いていくようになります。 その土の栄養素(ミネラル)は、どうして育まれているのかを考えると、土の周りには空気や湿気・水があって、雨や川もその水のミネラルを運んでくれていることを改めて感じていきます。そして、その川や空気からのミネラルは、山から流れて運ばれてくれるのです。その山には森が在って、様々な木が在るのです。
よくよく考えると、「木を見る」とは「幹・枝・葉・根を見る」、
「土を見る」「川を見る」「森を見る」「虫を見る」「空気を見る」、「自然を見る」そのように「見える化」を広げ・深め・探っていかなければ本当に木の存在を知ることはできないのです。
そして、その全てのものが、互いに関連し合っていることに気付いて行くことができるようになっていきます。全てのものが在って、見えていないものが在って、そのものが在るのです。
私は、「森を見て、木を見る、そして、幹・枝・葉を見て、根を観る、さらに、土を見る、虫を観る、微生物を観る。そして、空気・川を見る。そうして、森を観る、自然を観る」ことの大切さと言っているのです。
『診える化』とは、見えているものだけに捉われず、見えていないものがあることを知って、見えているもの、見えていないものを『広げ』、『深め』、『探る』そして、『全てのことは互いに繋がっている』ことを知ることが、真の『診える化』と言うことです。
